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結婚式プラン

俺…K男
彼女…カノ子
友子…カノ子の友達
友彼…友子の婚約者

すまん、色々思い出して書いていたら長くなった。

当時、俺とカノ子はお互い23歳、付き合って約3カ月位だったんだけど、カノ子の異常な位の結婚願望に早くも疲れ始めていた。

サプライズデート、とか言っていきなりウェディングフェアとか何とか(結婚式の販促イベントみたいな)のにつれて行かれ、模擬挙式をさせられた事もあった。

突然デートに親が来たりとか。

幸い親御さんはまともで、大学出たばかり、しかも付き合ってまだ数カ月の俺との結婚は反対。

カノ子に「二人とも今すぐにでも結婚したいと思ってる」と言われており、若造にしっかりと言い聞かせてやる!と乗りこんできたが、慎重派な俺に拍子抜けして帰って行った。

カノ子は「お父さんが何を言っても大丈夫だよ!二人なら乗り越えられる!大丈夫だよ、がんばろう!いざとなったら私駆け落ちしてもいい!いやむしろしよう!」とか。

ヤバいと思って色々言うが、猪突猛進なカノ子には何を言っても聞こえない。

何とか結婚はまだだ、と言い聞かせていたが、本当に何も聞いてくれない。

例えば「もっと良くお互いを知ってからでも遅くない」

→俺の家に居る時は基本全裸になる。

「さあ私を良く知りなさい」

あのね、そう言う事じゃなくって!!と言ってもダメ。

説得して全裸だけは何とか止めてもらった。

正直何の反応もなかった。むしろ萎えて縮こまってた。

「タダの一過性の恋愛なのか、一生一緒に居たいと思える愛かを知るのは時間がかかる」

カッターナイフで腕に俺の名前を彫り込もうとする。

「ここまで出来るのは完全に愛よ!名前彫ってあったら他の男と恋愛できないでしょ?」

必死で止めた。止めようとしないカノ子からカッターを取り上げて俺が怪我した。

泣きながら「じゃあどうすれば私の愛を分かってくれるの」と言われて寒気がした。

もう毎日怖くて怖くて、カノ父に何度か迎えに来てもらった位。

カノ子は「もうwお父さんといつの間に仲良くなったの?w」とご機嫌で帰ってくれる。

恐ろしい事に体重がガクンと減った。

10日くらい前の会社の健康診断で計った時より5キロも減ってた時は寒気がした。

そして毎日、家に帰るとアパート前で待ってるカノ子。

執拗に合鍵を要求されたが、

「結婚前の女の子にそんな事したら、カノ父さんも良く思わないよ?」

とか何とか言ってそれだけは回避。

カノ父も

「どうしたらいいのか…いっそ結婚してくれれば…」

と段々頼りにならなくなってくる。

恐ろしくて会社に泊まる日が続いたが、カノ子は

「結婚したら毎日毎晩一緒に居られる訳じゃないし、分かってるダイジョブ」とメール。

正直、こんなんじゃなかったら結婚したかったが…

父子家庭のため料理上手、家事全般完璧、打てば響くと言う感じで話しても楽しいし、趣味も合う。

愛嬌のあるおたふく顔でいつも笑顔、大の子供好き。

本人も本能的に家庭に入るのが最適と思ってたんだろうか。

ただこうなってしまうと全てがマイナスにしか見えなくなってきて、とにかく気持ちが悪かった。

ひたすら気持ちの問題で結婚はまだ、と言っても

「だったらこうしよう」「だったらああしよう」と凄いポジティブな、

しかし完全にずれてる解決策を出してくるので

「経済的に無理」を前面に押し出すことにした。

そうするとさすがのカノ子も一瞬引くので。

もちろん別れ話もしたし、カノ子から距離を必死で置いていたが、そうすると泣くだけでなくぶっ倒れたり、自殺しようとしたり。

んで真っ青な顔で「絶対別れない絶対別れない絶対別れない……」って、呪いの言葉を吐かれるんで怖い。

毎日毎日「どうやって逃げよう…」という事しか考えてなかった。

会社も辞めて失踪しようとか、それにはお金はいくらかかるか、とか通帳見ながら本気で考えてたりした。

なんかもう「俺の人生終わりかよ…」と思えてマジ泣きした。

会社にも段々泊まれなくなってきて、かといってまだ泊めてもらえるような友人もいなくて、カノ子は帰宅が遅かったり、外泊すると尋常じゃない程怒るようになって…

いっそのこと、と本気で自殺も考えた。

その位追い詰められてた。

ある日、カノ子が「いい事考えたの!」と今後の生活プランをニコニコと語りだした。

まず結婚式はカノ子の親友の友子と合同で行う。そうすればお金かからない。

入籍後は俺のアパートで新婚生活を楽しんで、その後はカノ子実家で同居。

カノ子もお父さんを一人残して行くのは心苦しかったらしく一石二鳥。

マジで胃がキリキリキリキリキリキリ…

目がハートマークのカノ子を何とか宥めてその場は終わった。

この辺りから食っても吐くようになった。

同僚からも心配され、上司に呼び出されたんで泣きながら事情を説明したら、他県の支店に移動できないか上にかけ合ってくれると言ってくれた。

もちろんまだ新人みたいなもんだから異例の措置。

なので期待はしないでほしいとは言われたが、数カ月ぶりに目の前が明るくなったような気がした。

カノ子には俺の実家は知られてないし、もしかしたら逃げ切れるかも!って。

ま、実家と言うか親は仕事で東南アジアの某国にほぼ移住状態なんで、そう簡単には行く事も出来ないが。

正直子供の頃からいろんな国連れまわされて、教育は日本で、という方針で一人で帰国、全寮制の高校に進学して……なんつーか変な家。

親との関係もなんか薄いと言うか、何と言うか…

普通の家庭が羨ましかった、とカノ子に言った事もあった。

だから「私と温かい家庭を!」って突っ走ったのかもしれない。

カノ子はカノ子で幼い頃に母を亡くした父子家庭で、俺は家庭環境から家庭や結婚に抵抗があったが、カノ子は逆に家庭に執着してた様に思う。

話を戻して。

転勤が出来るかもしれないと言う希望が持てるようになって、食事も少しだが食べられるようになった。

カノ子の作った物は無理だったけど……

カノ父も「娘が同居してくれるなら…」「娘がこれほど…」と段々容認派に回ってきたが、「きっと大丈夫だ」って希望があったから乗り越えられた。

ある日、カノ子がニコニコと「友子と友彼さんと一緒に飲みに行こうよ!」と言ってきた。

「結婚式の話だと思う!」ってめちゃめちゃ嬉しそう。

断ったけど聞いちゃいない。

俺も拒絶するだけの力が残って無くって、行くしかないか…って気になった。

行ったら友子さんも友彼さんもなんだか不機嫌な感じ。

挨拶してもろくに返事もなく、ハイテンションなカノ子は浮きまくってた。

そして意を決したように友彼さんが俺に

「結婚式の話なんだけど…」と言うと、カノ子が「キャー楽しみにしてるの私たち!」と大きな声を出したが、友彼さんは「カノ子さん、ちょっと黙ってもらえます?」と冷たく遮った。

さすがのカノ子も黙る。

友子さん達は来年をめどに式を挙げる予定だが、カノ子と一緒に式をする気はないとはっきり言った。

ワーワー喚くカノ子を無視して

「そもそもK男さんもこれに賛同してるのでしょうか?」と。

あ、俺同類に見られてる…と鬱。

「正直、幾ら親友と言っても合同でなんておかしいと思ってます。

まさか本気でそんな事言ってるとは思ってませんでしたが…(ホントは思ってたけど」

友子さん「親友なんかじゃありませんよ!カノ子さんはタダの後輩です!」

そこでカノ子の結婚式プランを教えられた。

まず、友子さん式のテーブルを3つほど増やしてもらう。

高砂席を二つにしてもらう。

ウィディングケーキを一つ増やしてもらう。

これだけ。

増えた人数分やケーキ代の実費は払う、ご祝儀で払えるだろうと思う、との事。

毎日カノ子の毒電波浴びてた俺でも唖然とした。

式にかかる費用や、面倒な準備や設備などはすべて友子さん持ちって事すか、と。

模擬挙式に連れて行かれた経験が生きたよw

一年近く綿密に、分刻みスケジュールを立て、数百万円払った式を乗っ取るというか、おいしい所だけつまみ食いって事だ。

思わずカノ子をマジマジと見ると、カノ子は顔真っ赤にして早口で

「私先輩のお古って言うか、使い回しさせてほしいなって思ってー。」

「だって花とか一回しか使えない訳だし、もったいないし!」

「ちゃんとお金は払います!ほらK男君からも頼んで!」

後は「酷い」とか「楽しみにしてたのに」とか

「後輩がかわいくないんですか」とか言いながら泣くカノ子を無視して、ひたすら3人で謝罪しまくった。

俺「バカな事に巻き込んでしまってすみません」

友彼「いえ、同意の上でのことだと思ったのでケンカ腰ですみません」

友子「お忙しい所に失礼な事を…」

みたいに。

とりあえず解散する事になったが、カノ子はグズグズ泣いていて動かない。

そのまま置いて出た。

3人で店を移して今までの事を話した。

友子さんによるとカノ子は部活の後輩で、昔からのめり込むタイプだったと聞かされた。

ストーカーチックな付きまといを繰り返し、相手の男に殴られた事もあるとか。

ただ「殴った相手の男の子も悪いが、カノ子に同情は出来なかった」らしい。

相手の男は交際をきっぱりと断ったが、行く先々にカノ子が現れてかなり参っていた。

角を曲がった時にぬっとカノ子が出てきたため、悲鳴を上げて思わず手が出てしまった、って事だそうだ。

友彼さん、相当おびえた表情だったが凄くかわいそうな物を見る目で見られた…orz

友子さん達と別れた後、恐る恐る携帯の電源を入れたがカノ子からの連絡は一切なし。

逆に怖くなってその場で吐いた。この辺りでは本当に毎日吐いてた。

きっと家にもいるだろうと思い、気力を振り絞って家に帰ったがここにもいなかった。

こうなるともう怖くて怖くて…

次の日会社に行く時も、小動物みたいにまわりをキョロキョロ伺いながら歩いた。刺されたくないし…

日中もカノ子からの連絡は無し。お弁当を届けに来る事も無し。

帰りたくなかったが、帰らないのも恐ろしい。

震えながら家に帰ると、居た。いつものようにドアに寄りかかって本読んでた。

イヤな汗を流しながら硬直する俺に気がつくと何事も無かったように笑顔で「おかえり」。

家に入ってもいつもと変わった所は全くない。

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